時計を作ろう
■ 地板の加工(支柱穴編)
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快削ステンレス SUS303、サイズはW185×H230×6t、重量が一枚約2kg |
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当初5tで作るつもりでしたが、この寸法で手に入れるのが困難と思われましたので6tに変更しました。 |
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対戦車攻撃を受けても防御できると思えるほどに頑強な地板です。 |
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真鍮で作るのが定石なのでしょうが、酸化と腐食の問題があるためSUS303に踏み切りました。 |
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この四隅に穴をあけ支柱を建てます。 |
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はじめに、フライス盤に地板をセットします。 |
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上下でズレが生じないように二枚一気に穴開けします。テーブルにクランプし、ピックゲージでテーブルとの平行 を出します。左右で1/100mm以下になるまで調整します。 |
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次に、エッジファインダーで座標原点を決めます。 |
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エッジファインダーは簡単な構造で5μ(5/1000mm)以下の再現性があるスグレモノです。 |
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エッジファインダーで座標原点を決めたら、DROで追いテーブルを移動して穴を開けます。 |
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SUS303が快削ステンレスとは言っても10㎜φの穴を一気に開けることは出来ませんので、手順を踏んだ作業を します。センタードリルで位置を決め、コバルトハイス鋼のドリルで4→6→8→9.9㎜φと拡径し最後に10㎜φのリ ーマーで仕上げます。 |
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地板のサイズが185×230mmと巨大なので、テーブルの移動だけで四方の穴を開ける事が出来ません。2箇所づ つ開けます。 |
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次の写真は2箇所の穴を開けた後、ズレ防止のピンを挿入し、反転して反対側の穴を開けたところです。 |
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クランプで地板にキズが付かないように真鍮箔を挟みます。手前は平行クランプでズレ防止です。ここはアルミ缶 を切ったものを挟んでいます。 |
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20φのSUS303です。両端を10φのホゾに加工して地板と勘合します。ホゾの径は要の部分なので慎重に精度を 確保します。 |
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片端のホゾが出来たので、設計長にケガキます。 |
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ケガキ線まで旋削しホゾを作ります。ホゾの先端には、地板と締結するヘキサゴンボルトのためM5のタップを立 てます。 |
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M5のタップ立ては三つ爪チャックをつかんで回すといささか難儀しますので主軸ハンドルが活躍します。 |
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写真左側のハンドルです。 |
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両端にタップを立てたところで、クビレを旋削するためにくわえ直します。ホゾはかなり正確に直径を出しています のでチャックでくわえてしまうとオシャカになります。そこで、アルミのヤトイを作りチャッキングします。 |
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ルーペでのぞきながら切り込みます。 |
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荒削りを終えたところです。 |
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両端をネジ切りバイトの片で傾斜をそろえたところです。 |
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取り外して記念撮影。 |
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これを繰り返し4本作ります。 |
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先ずは原寸大の図面をフライス盤に乗せ、地板をセットする位置決めを行います。 |
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地板の平行と位置合わせは四隅の支柱穴開けと同様に行います。 |
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穴あけを始めますが、毎回原寸図面をあてがいポカミスを防止します。 |
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センタードリルで位置決め、ドリルで貫通、最後にリーマーで仕上げるという順序です。 |
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地板二枚共通の貫通穴をあけ終えたところです。 |
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アンクル爪の調整を行うための窓穴は口径が大きいためボーリングであけました。 |
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ボーリングバイトはあてにならないのでエンドミルを使いました。超硬エンドミルを使うと切削側面が非常にきれい に仕上がります。 |
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そして、全ての穴あけを終え仮組みした姿です。 |
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様子を確認したら再度分解し、バリ取りを行います。 |
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次にベアリングの圧入です。 |
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フライス盤上で行います。ドリルチャックに簡単な治具をくわえ圧入します。 |
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圧入と言っても僅かな押し込み力です。スラスト力が掛かった時に心配になるくらいです。 |
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バレル軸は巻上時にクランクからのスラスト力が掛かるので、写真の様にフランジ付きベアリングにしました。 |
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